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富士登山でも疲れにくい荷物の詰め方と装備を軽くするテクニックとは

富士登山でも疲れにくい荷物の詰め方と装備を軽くするテクニックとは

富士登山は毎年多くの人が挑戦するため、油断からつい事前の準備を怠ってしまいがちです。しかし、特に男性より体力がない傾向にある女性や登山初心者にとっては、荷物の負荷を軽くする工夫は登山を楽しむために不可欠だと言えるでしょう。

そこで今回は、性別や体型に合わせたザックの選び方から、疲れにくい荷物の詰め方や装備を軽くするテクニックまで、詳しくご紹介します。富士登山をしっかり楽しみたいという方は、ぜひ参考にしてください。

1.男性向け・女性向けで登山ザックの特徴が違う!

登山に使用するザックには、男女兼用のほか、体格などに合わせ、男性向け、女性向けがあります。
自分の体格に合ったザックを背負うことは、登山での体感重量を減らすためにとても重要です。体格に合っていないザックだと体とザックがフィットせず、荷重をうまく分散させることができないため、疲れやすくなってしまいます。

そのためザックを選ぶ際はまず、首後ろの突起した骨から腰骨までの長さを目安にして選びましょう。女性向けザックは男性向けより背面長が短くなることが特徴です。

さらに、ショルダーベルトにも男女では違った特徴があります。女性向けザックは男性向けよりも柔らかいメッシュ部分が長く、肩幅の狭い女性が背負いやすい作りになっています。
ショルダーベルトがバストを避けるようにカーブしている形状のものもあり、胸部が圧迫されづらく、長時間快適に背負うことができます。

また、基本的に女性は男性よりも腰の位置が高いため、ヒップベルトも高く作られています。骨盤に合わせ、丸みを帯びた形になっている点も男性向けザックとの違いです。

レディースザックの中にもモデルやブランドによって、機能やデザインだけでなく形にも細かな違いがあります。購入前には一度、アウトドア専門店などで実際に背負ってみて、フィット感のあるものを選ぶと良いでしょう。

2.富士登山をするときに疲れにくい荷物の詰め方

富士登山では、極力体力を温存するために体感重量を軽くすることが大切です。疲れやすさや登山中の快適さは、荷物の詰め方、つまりパッキングを工夫することで大きく変わります。

ポケットには、登山中に取り出したいものを収納します。特に、行動食やスマホ、地図など、取り出す頻度が高いものはウエストポケットやサイドポケットなど、背負ったままでも手が届く部分に収納することがおすすめです。

そのほか、フロントポケットには財布やタオル、日焼け止め、雨に濡れた時にすぐ取り出せるようレインカバーなどを入れると良いでしょう。
このように、ポケットの位置に合わせて荷物を収納することで、必要なものをすぐに出すことができます。

ポケット
収納するもの
よく使うもの
収納する持ち物の具体例
スマホ・地図・行動食など
ザック上部
収納するもの
比較的よく使うもの
収納する持ち物の具体例
雨具・中間着・ごみ袋・ヘッドランプなど
下部
収納するもの
あまり使わないもの
収納する持ち物の具体例
寝袋・モバイルバッテリー・着替えなど
背中側
収納するもの
重いもの
収納する持ち物の具体例
水・クッカーなど
外側
収納するもの
軽いもの
収納する持ち物の具体例
軽い防寒着・トイレットペーパー・ティッシュなど

ここからは、富士登山をするときに疲れにくい荷物の詰め方について、より詳しくご紹介します。

2-1.よく使用するものは上部に入れる

ポケットに入るサイズではないものの、使用頻度が高いものは、ザック上部に入れておきましょう。
地図やスマホなど、行程中にすぐ出せないと困るものはポケットに入れ、雨具や中間着、さらにごみ袋やヘッドランプなど、万が一の際にはすぐに出したいというものをザック上部に入れる方が多いです。

さらに、怪我をしてしまった際の救急セットも取り出しやすい上部に入れておきます。行程中に調理をしたい場合、クッカーも上部に入れておくと便利ですが、背中側に寄せて重心移動の妨げにならないようにしましょう。

2-2.あまり使わないものは下部に入れる

ザック上部に使用頻度の少ないものを置き、下部に使用頻度の高いものを置くと、いざ行程中に必要なものを取り出すとなった際、見つけ出すのに時間がかかってしまいます。

登山で身体への負担が少なからずかかっている中、ザックの中から荷物を取り出すという無駄な作業でさらに精神的にも負担をかけることになってしまわないよう、行程中での使用頻度が少ないものは、ザック下部に入れておくことをおすすめします。

2-3.重いものは背中側に入れる

体の近くに重いものを持ってくることで、重心が安定するため歩行が楽になります。体力温存のためにも、重い荷物は背中側に集中させましょう。

富士登山の場合、水は少なくとも1リットル以上が必要です。行程中に飲む分は水筒などに入れてポケットに収納し、それ以外の水は背中の中心近くに配置することで快適に登山ができます。

また、クッカーを持っていく場合は、背中側上部に収納して、行程中に取り出しやすいよう工夫しましょう。

2-4.軽いものは外側に入れる

外側は体から離れているため、重心移動の妨げにならないよう軽いものを収納しましょう。
具体的には、エマージェンシーシートやフリースなどの軽い上着、トイレットペーパーなどです。

ここでも、行程中すぐに出したいものは上、使用頻度が高くないものは奥に収納します。上着は肌寒いときにすぐ羽織れるよう、上の方に入れておきましょう。

2-5.下部の2気室は使用しない

2気室構造のザックもありますが、下の気室は基本的に使用しないことが無難です。

2気室構造のメリットは、下に入れた荷物をジッパーで簡単に取り出せることです。しかし、上の気室と下の気室の間に隙間ができてしまうため、歩行中に荷物が動き重心が偏りやすくなってしまいます。

緊急用の救急セットなどはきちんとザック上部に入れて取り出しやすくするなど、2気室を使わなくても済むよう工夫してパッキングしましょう。

3.登山装備の重量を軽くする2つのテクニック

富士登山の際は、パッキングを工夫して体感重量を小さくするだけでなく、荷物自体の重さを軽くすることも重要です。

持ち物は厳選し、必要ない物は持って行かないようにしましょう。さらに、上着はダウンジャケットやフリースなどの軽い素材を選ぶなど、道具の重さを軽減することも大切だと言えるでしょう。

最後に、荷物をより軽くするためのテクニックをご紹介します。

3-1.1つで何役も兼用できるアイテムを使用する

1つでさまざまな用途に使用できるアイテムを使用することで、持ち物を減らし荷物を軽くすることができます。

たとえば、雨具とアウターの両方を持っていくのではなく、レインウェアをアウターとしても使用することで、余計な荷物を省くことができます。
また、眠るときは枕がないと首が痛くなってしまう場合、携帯用枕があれば便利です。しかし、いくら携帯用とはいえ多少はかさばってしまうでしょう。しかし、ザックの背面にパッドがあれば枕として代用することは十分に可能です。

そのほか、救急時の三角巾をハンカチなどで代用する、カップとコッヘルを兼用するなど、色々な工夫ができるため、覚えておくと良いでしょう。

3-2.ザックに撥水加工を施す

ザックは完全防水ではないため、悪天候に備えてザックカバーだけでなく、防水性のあるスタッフバッグやビニール袋などに入れてからパッキングすると良いでしょう。

しかし、その分背負う荷物は重くなってしまいます。荷物の重量が増えてしまうことを避けたい場合は、撥水加工のサービスを利用してザック自体に撥水加工を施すことで、水濡れのリスクを軽減することをおすすめします。

撥水加工がしてあるザックなら、着替えなどの濡れると困る持ち物のみ袋に入れるだけで済みます。
また、電気機器など、さらに対策が必要な荷物は袋の中にスポンジなどを入れておくことで、万が一水が浸入しても防水対策ができます。スポンジなら軽いため、荷物の重量を抑えることができるでしょう。

まとめ

富士登山では、荷物の重さを極力抑えることで歩行中の負担を軽減することができます。そのためには、自分に合ったザックを背負うこと、パッキングを工夫することの2点が重要です。少しの工夫だけで、荷物を軽量化することができます。

富士山は登山者も多いですが、簡単に登れる山ではありません。ここまでの内容を参考に、事前にできる工夫はしっかり行い、快適で楽しい富士登山の思い出を作りましょう。

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