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富士山の登山に必要な「ヘッドライト」の特徴と最適な選び方を紹介!

富士山の登山に必要な「ヘッドライト」の特徴と最適な選び方を紹介!

ヘッドライトは、登山用リュックや登山靴と同様に重要なアイテムで、富士山の登山に欠かせない登山用品の1つです。しかし、登山用のヘッドライトを購入する際は、明るさだけで選ぶのではなく、いくつかのポイントをおさえる必要があります。

今回は、「どのような場面でヘッドライトが必要となるのか」「ヘッドライトを選ぶ際に考慮したいポイント」について解説します。登山初心者やヘッドライト選びに迷っている方は、ぜひ当記事を参考に自分の使い方に合ったヘッドライトを探してみてください。

1.富士山の登山に重要なアイテム「ヘッドライト」の役割とは?

登山用ヘッドライトは、夜間登山や暗い場所での歩行時に、足元を照らすために使うものです。

富士山の山頂でご来光をする場合は、7~8合目の山小屋に宿泊して日の出前に出発するため、真っ暗な登山道を数時間歩かなくてはなりません。暗闇の中では、登山道に転がっている岩や石が見えにくくなるため、ヘッドライトで足元を広く照らすことが重要です。

山小屋に一泊以上泊まる場合は、夜間登山の予定がなくても、ヘッドライトを持っていく必要があります。山小屋では、トイレが離れた場所に設置されていることが多いため、ヘッドライトで通り道を照らしながら移動しなければなりません。また、消灯時間には山小屋が真っ暗になるため、屋内で荷物を探す場合にも、ヘッドライトを使うことがあります。

日があるうちに下山する場合は、順調に下山できればヘッドライトを使用する必要ありません。しかし、明るいうちに下山する予定でも、道を間違えたり怪我をしたりといった、予期せぬトラブルが起きることにより、下山が遅れる可能性があります。下山が遅くなって日が暮れてしまうと、真っ暗な登山道を歩かなければなりません。日帰りで登山を行う際も、ヘッドライトを持っておくことが重要です。

2.明るいだけではだめ?登山用ヘッドライト選びのポイント

登山用ヘッドライトは、明るければ明るいほど良いというものではありません。明るさ以外にも、照射範囲や取り扱いやすさなどもチェックする必要があります。そのため、ヘッドライトを選ぶ際は、ヘッドライトを使用するシーンに合わせた性能のヘッドライトを選びましょう。

ここでは、登山用ヘッドライトを選ぶ際におさえておくべきポイントを詳しく紹介します。

2-1.照射範囲が広い

登山を行う際は、明るく照射距離の長いヘッドライトではなく、照射範囲が広いものを選びましょう。

照射距離が長いだけでは足元に光が当たらないため、登山道に転がっている小石などに躓き、転倒する恐れがあります。しかし、数メートル先の地面を広い範囲で照らせるヘッドライトを使用することで、登山道の足元の状況を広範囲に一目で確認することができます。安全に登山を行うためにも、足元をしっかりと照らすことができるヘッドライトを選びましょう。

2-2.光量を調節機能がある

調光機能が付いたヘッドライトを選ぶことで、状況に合わせて光量を強くしたり弱くしたりすることが可能です。

山頂のご来光のために早朝に歩く場合や、テント内で休憩をとる場合では、必要となる明るさは異なります。夜間の登山道で使うような高照度の灯りを、そのままテントの中で使ってしまうと、光が強すぎて他の登山客の迷惑になりかねません。

状況に合わせて光の調節ができるだけでなく、色を切り替えられるヘッドライトを選ぶこともおすすめです。道に迷ったりトラブルが起きたりした際に、周囲に自分の場所を知らせることができます。

2-3.4時間以上の連続点灯が可能

登山・下山時間が予定より長引く可能性を考慮し、照射時間が長めのヘッドライトを選ぶことがおすすめです。

最近のヘッドライトは、LEDランプが使用されるようになったことから、電池の寿命が伸びました。しかし、ヘッドライトを照射している間、いつでも最大出力で使えるわけではありません。ヘッドライトの光の強さは、時間とともに低下します。そのため、最低でも4時間以上、夜間の移動がある場合は、8時間以上の連続点灯ができるヘッドライトを選びましょう。

2-4.防水性がある

ヘッドライトを購入する際は、雨や雪での故障を防ぐためにも、防水機能があるヘッドライトを選びましょう。登山中に雨や雪が降り、ヘッドライトが濡れてしまうと、故障して使用できなくなってしまうことも少なくありません。

ヘッドライトの防水性能は9段階あり、防水機能のない無保護の0級から、潜水状態でも使用できる8級まであります。

以下は、防水等級に応じた防水性能を表にまとめたものです。

IPX0(防水等級0級)
無保護
IPX1(防水等級1級)
鉛直に落下する水滴に対する保護
IPX2(防水等級2級)
15度以内で傾斜して落下する水滴に対する保護
IPX3(防水等級3級)
両側60度以内の散水に対する保護
IPX4(防水等級4級)
あらゆる方向からの水の飛沫に対する保護
IPX5(防水等級5級)
噴流水に対する保護
IPX6(防水等級6級)
強力なジェット噴流水に対する保護
IPX7(防水等級7級)
一時的に水中に沈めたときの保護
IPX8(防水等級8級)
継続的な潜水状態での使用に対する保護

登山用ヘッドライトには、防水等級が4級以上の防水性能が備わったヘッドライトが適しています。冬山や長期のトレッキングなどでは、防水等級が7級以上のヘッドライトがおすすめです。

防水性能のないヘッドライトを使用する場合は、雨中登山に備えて防水パッキングし、壊れたときのために予備のヘッドライトを持っていきましょう。

2-5.ストラップが頭にフィットする

ヘッドランプを頭に装着するストラップは、以下の2点に注目して自分の頭にフィットするものを選ぶことが重要です。

  • ・自分の頭のサイズに合わせた調節ができるか
  • ・ヘッドライトを長時間装着していても負担が少ないか

ヘッドライトのストラップが長すぎると、頭から滑り落ちてしまいます。また、ストラップが細いと、激しい運動をした際にストラップが切れてしまうケースも少なくありません。そのため、ヘッドライトを選ぶ際は、ストラップが調整できるもので、ある程度の太さや耐久性があるものを選びましょう。

2-6.手袋をしていても操作しやすい

ヘッドライトは、手元があまり見えない暗闇の中で使用することが多いため、ボタンを押すだけでオン・オフの切り替えができるワンタッチ式のヘッドライトがおすすめです。また、手袋をつけたままでもスイッチの操作がしやすいよう、ボタンが大きいものを選ぶと良いでしょう。スイッチが小さいものやダイヤル式のものは、切り替えやオン・オフがスムーズにできないことがあります。

さらに、照射角度の調整がしやすいヘッドライトを選ぶことで、頭に装着したままでも状況に合わせてライトの向きを変えることが可能です。

3.購入前に【電池式or充電式】を確認しよう!

ヘッドライトには、単三や単四などの乾電池を使用する「電池式」と、バッテリーを充電して使用する「充電式」の2種類があります。ヘッドライトを購入する際は、事前に電池式か充電式かを必ず確認しましょう。

電池式のヘッドライトを使用する際は、登山・下山の途中で電池が切れてしまうことがあるため、予備の乾電池を持っておくと安心です。山中で予備の乾電池が足りなくなった場合は、山小屋で入手することができます。
また、予備の乾電池を持っていく場合は、一般的なアルカリ電池を使用しましょう。充電して使うタイプのニッケル水素電池は、一般的なアルカリ電池に比べて、パワーがやや劣るため、ヘッドライトに使用する乾電池にも、一般的なアルカリ電池を使用することがおすすめです。

高性能のリチウムイオンバッテリーを使った、充電式のヘッドライトのリチウム電池は、乾電池よりも高照度に対応しており、宿泊数によっては、フル充電しておけば最終日まで持つ場合があります。ただし、リチウムイオンバッテリーを使用した充電式のヘッドライトの電池が切れた場合、乾電池を予備として使用することができません。充電式のヘッドライトを使用する際は、スマホ用のモバイルバッテリーなどを持っておくと安心です。

最近では、充電式のバッテリーとアルカリ乾電池のどちらも使える、ハイブリッドタイプのヘッドライトが販売されています。登山に必要な荷物だけでなく、予備として持っていく電池の量を考慮し、どのようなタイプのヘッドライトが自分の使い方に適しているかを選ぶと良いでしょう。

まとめ

富士山の山頂でご来光をする方はもちろん、日帰りで登山をする方にもヘッドライトは必須アイテムです。登山に適したヘッドライトを購入する際は、状況に合わせて使用できるよう、光調機能や防水機能が付いているものを選びましょう。

登山用のヘッドライトを購入する際には、電池式と充電式のどちらのタイプであるかを事前に確認する必要があります。登山では、予期せぬトラブルで歩行時間が延びることもあるため、予備のバッテリーや乾電池には、余裕を持って準備することが大切です。

登山用のヘッドライトを選ぶ際は、登山を安全に楽しめるよう、いくつかのポイントをおさえて、使用シーンに合ったモデルを選びましょう。

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