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「テント泊登山をしたい!そんな初心者にテント泊の持ち物を紹介」

「テント泊登山をしたい!そんな初心者にテント泊の持ち物を紹介」

 登山を始めた人にとって、ひとつの目標とされることが多いテント泊。
 テント泊ができれば長期縦走に挑戦し易くなるだけでなく、ホテルに宿泊する旅行では味わえない経験を出来るでしょう。山を100%味わうにはテント泊をするしかない、と豪語する人もいるほど。
 そんな登山の魅力が詰まったテント泊ですが、始めるにはテント以外にどのような装備が必要か知っていますか?
 登山初心者がテント泊デビューのために必要な持ち物と選ぶ際に知っておきたいポイントを紹介します。

1.テント泊登山に必要な持ち物をリスト化しよう

テント泊登山に必要な持ち物をリスト化しよう

 テント泊に必要なものをネットなどで調べると、様々なものが浮かび上がります。
 しかし、本当にそれはあなたのテント泊に必要なものでしょうか。それに登山装備は高価なものも多く、思いつくまま購入していては大変な出費になってしまいます。
 まずはテント泊に必要なものリスト化しましょう。
 一番のメリットは実際の山行での忘れ物防止に役立つことですが、購入が必要な装備の比較検討がし易いことも挙げられます。
 例えば山での食事は火の必要がないものに限定するのであれば、あなたのリストからガスバーナーや付随する燃料は削除できます。代わりにお湯なしで調理できるアルファ米などをリストに加えましょう。

2.テント泊登山の持ち物一覧

テント泊登山の持ち物一覧

 テント泊登山の装備は日帰り登山の装備に、テント泊で必要な装備を追加することになります。
 テント泊の装備は「住」(テント)・「眠」(寝袋など)・「食」(食材だけでなく、バーナーやコッヘルなど)という視点で考えると、リスト化し易いでしょう。

 ・「住」のリスト
 テント:初心者には自立型ダブルウォールテントがおすすめ。
 グラウンドシート:テントと別売りのこともあるため注意。テント保護に役立つ。
 ペグハンマー:ペグを打つのに必要。なくてもテント場にある石でも代用可能。
 トイレセット:山域によってはトイレなどがなく、携帯トイレの携行が必須の場合もあります。また、山トイレはペーパーを設置していない場合も多いため、ペーパーを持参するほうが良いでしょう。

 ・「眠」のリスト
 寝袋(シュラフ):化繊(濡れに強い。価格が低い。重い)とダウン(軽く保温性が高い。濡れに弱い)のものがある。
 シュラフカバー:ダウンの寝袋を濡れから防ぎ、保温性を保つ。汚れからも守る。
 スリーピングマット:寝袋の下に敷く。地面からの冷気や凹凸を和らげる。大まかにクローズドセル、セルフインフレータブル、エアマットの三種類に分けられる。

 ・「食」のリスト
 食材:アルファ米など軽量かつ保存が効き、調理か手軽なものが好まれる。
 水:調理に使うのであれば二食で3ℓ前後は必要。
 ガスバーナー:初心者には点火・消火・火力調整の容易さという点からガスバーナーがおすすめ。
 燃料:扱いの容易さからガスがおすすめ。サイズによってはクッカーへのスタッキングも簡単。
 クッカー:登山で好まれるクッカーの素材はチタンとアルミ。どの程度調理をするのかで必要とする容量や形状が変わる。
 カラトリー:調理と食事に必要になります。スタッキングし易いサイズや形状を探しましょう。

 以上に挙げた持ち物は基本的なものです。
 テント泊をしていくうちに欲しいものが出てくるかもしれません。その場合は追加してみると良いでしょう。
 また、テント泊を行うために忘れてはならないのが、ザックの容量です。
 必要なものを全てザックに収納し、運搬するためには60ℓ以上の容量が推奨されています。

3.テント泊登山で行きたい山を考えよう

テント泊登山で行きたい山を考えよう

 リスト化した装備の候補を絞り込むため、次にテント泊を想定している山域や季節を決定しましょう。
 装備と山の標高や季節などのミスマッチを防ぐことで安全登山に繋がるだけでなく、不要なものを買わないことで経費の削減にも繋がります。また、その際に将来的にどのようにそれらの装備を運用するのか、ということも考えておくとより良いはずです。
 例えば将来的にはグループ登山で山めし振舞いたい、と考えているならガスバーナーは分離型のものも候補に入るでしょう。

4.性能と金額のバランスで購入したいものを絞り込もう

 テント泊の持ち物リストと行きたい山の候補を決められたら、次は装備から実際に購入する装備の候補を絞っていきます。
 その際にそれぞれの値段をチェックしましょう。
 登山装備の世界では性能と金額が=で結ばれている場合も多いのです。価格の高いものには高いだけの理由があり、低い場合もそれなりの理由があります。
 それぞれの理由を知ることで価格と機能バランスを知り、選択肢を広げることも絞ることも可能になるはずです。

5.実際に専門店でスタッフにあれこれ聞いてみよう

 テントの内部の高さは100cm程度ないと圧迫感があるとされています。しかし、実際にそれよりも低いモデルのテントに入ってみると体感は違うかもしれません。
 カタログスペックだけでは分からないあなたの感覚を確かめるためにも、実際に登山専門店へ行くことをおすすめします。
 私が初めてテントを購入した際には、従業員の方が丁寧に教えて下さり、実際に張ってみたり、ザックを入れた状態での内部などを体験したりさせて頂けました。
 また、実際の使用経験がある従業員の方にお話を窺える機械もあるかもしれません。
 初心者は、ぜひ店舗へ赴き、実際の製品を確かめ、色々と質問してみてください。

6.装備のレンタルやツアーも選択肢に入れてみよう

 初心者が装備を揃える際に大きいのは、初期費用の大きさではないでしょうか。
 本格的に登山を続けるのであれば必要になってくる様々な装備。テント泊を視野に入れてそれらを全て揃えると10万円前後はかかることになります。
 決して小さくない負担を軽減するために、レンタルという選択肢も視野に入れみてはどうでしょうか?
 レンタル品は専門のスタッフによるクリーニングやメンテナンスが行われているため、中古品をオークションサイトなどで安く購入するよりもずっと安心感があります。

 また、テント泊をソロで行う場合にも不安が付きまとうものです。そんな場合は初心者向けのテント泊登山ツアーに申し込むのもよいでしょう。
 ツアーであればプロの山岳ガイドに指導してもらえるチャンスもありますし、なにより一人きりでテントの設営などを行う不安が解消されます。

まとめ

まとめ

 昨今の登山用品の進化は目覚ましく、軽量化と小型化には目を見張るものがあります。
 装備が進化したことで、ある程度の体力をつけてしっかりした準備さえ行えば、テント泊やテント泊を行いながらの縦走が多くの人に可能になってきたのです。
 日々を過ごすオフィスやリビングでは決して味わうことのない――そんなテント泊ならではの経験は、自らの足でテント場でまで辿り着いたあなただけのものなのです。

(品川)

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